アップセル

アップセルとは

アップセルとは、簡単にいうと「顧客単価を上げること」です。ある商品を検討している顧客や、以前利用者が購入した購入履歴を元に、人工知能を活用してより高額な上位モデルの広告を表示させるなどして、より高額な買い物をしてもらうことを意図したシステムです。

このアップセルは、すでに多くのシチュエーションにて採用されています。例えば、ショッピングサイトのアマゾンも利用しています。アマゾンで買い物をしている時に、なぜだか、自分の好みの商品が、「あなたへのおすすめ」と称されて広告が出たという体験をした人も多いのではないでしょうか。なぜ、私の好みの商品が分かったのだろうと気味が悪く思った人も多いかもしれません。この時に、まさにアップセル技術が使用されているのです。

アップセルでの顧客誘導に成功すると、企業側は顧客数を増やさなくても売上高を伸ばせるのがメリットです。

クロスセルとは

アップセルとよく比較される技術としてクロスセルという技術があります。クロスセルは顧客に他の製品を合わせて購入してもらうことを目的とした手法です。このテクニックも、大手通販サイトのアマゾンで利用されています。アマゾンで商品を購入する際に、「よく一緒に購入されている商品」という覧があります。ここには、利用者が購入する商品のオプションであったりして、利用者にとって魅力的な商品であることが多く、ついつい合わせて買ってしまいます。例えば、カメラなどを購入した時に、三脚などの関連製品などを勧めてくれます。

このアルゴリズムは、他の人が購入したデータを元にアルゴリズムが作られていて、他の人が購入した時に、実際に併せて購入した商品を紹介してくれます。また、ハンバーガーショップなどで、注文したのちに「一緒にポテトはいかがですか」などとすすめられるのも、クロスセル手法です。

クロスセルに成功すると、アップセルと同様に新規顧客を獲得しなくても、売上総額を増やすことが可能です。

両者の違いや注意点

紹介したようにアップセルは顧客にさらに高額な買い物をさせることで顧客単価を上げる手法で、クロスセルは顧客に買い物の幅を広げることで顧客単価を上げる手法です。大手通信販売業者のアマゾンは、両方の手法を使っています。また、インターネットと関係ないところでも、ファストフード店の接客トークにて、これらの手法が使われています。

しかし、アップセルをする場合には、顧客への押しつけが強すぎると成功しないので注意が必要です。あまりにも高額な商品に誘導すると、逆に不信感を持たれてしまうことがあります。アップセルやクロスセルをする際には、顧客が納得するかを最重要課題として検討し、顧客ニーズにあった戦略を取るのが良いでしょう。