BtoBとは
BtoB（Business to Business）は「企業間取引」を意味する用語です。ビジネスでは「誰」が「誰」に対して取引をするのか重要なポイントになるため、それぞれの種類ごとに取引の形態を表す用語が決められています。企業同士が取引を行うBtoB以外には、企業が消費者と取引を行うBtoC、企業が従業員と取引を行うBtoE、企業が行政と取引を行うBtoGなどがあります。さらに消費者同士が取引を行うCtoCや、行政が消費者と取引を行うGtoCなどがあるのです。
それではBtoBにおいては、具体的にどのような取引が行われるのでしょうか。BtoBでは企業が必要とする資材やサービスの取引が行われ、購入した資材やサービスは企業の生産活動や営業活動に使われます。消費者を対象とする取引とは異なり、企業向けに開発された商品やサービスなどの取引が、大きな規模で行われるのです。製造メーカーに製品を納入する部品メーカーや小売業者に商品を納入する卸売業者、企業にサービスを提供するIT企業やコンサルタント企業などが、BtoB企業に該当することになります。
消費者が商品を購入する場合には個人的な好みや満足度が優先されますが、企業が商品を購入する場合には売り上げに貢献できるかどうかが重視されることになります。さらに価格が安いかどうか、十分な品質を備えているかどうか、継続的な購入が可能かどうかなどがチェックされ、ロジカル（論理的）に購入の意思決定が行われるのです。企業は多くの人が集まった集合体であるため、個人の判断ではなく会議や稟議などの結果に基づいて購入の意思決定が行われることも、大きな特徴だといえるでしょう。
販売する側の戦略も、企業向けと消費者向けでは大きく異なります。消費者を対象とする販売活動では美しいパンフレットや個性的なコマーシャルなどが作成され、購入する人の情緒に働きかけるプロモーションが行われます。一方で企業を対象とする販売活動では具体的なデータを提示することにより、商品やサービスの優秀性を提示するプロモーションが行われるのです。
近年では新卒者や転職者の就活において、BtoB企業の人気が高まっています。消費者を顧客とするBtoC企業と比較すると、経営の安定性が高くニーズがわかりやすいことが、その理由となっているようです。企業に対する取引では複雑なプロセスを経て購入の意思決定が行われるため、契約の獲得は簡単ではありませんが、一度契約を獲得すればその後も継続的な取引が期待できるというメリットがあります。さらにBtoBでは流行に左右されることなく、企業が求める条件を満たす商品やサービスが売れることになります。企業のニーズを丁寧にリサーチしてこれに応えることで、双方にメリットのあるウィンウィン（Win-Win）の関係を構築することができるのです。